映画『陽の当たる場所』(1951) 感想と評価

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「陽の当たる場所」
 
いろんな歌の名前になってますし、言葉だけ聞いたことあるって人も多いのでは?
 
わたしはもっぱらMISIA派です。

映画データ

『陽のあたる場所』

(原題:A Place in the Sun)

1951年/アメリカ/122分
監督:ジョージ・スティーブンス
原作:セオドア・ドライサー『アメリカの悲劇』
出演:モンゴメリー・クリフト/エリザベス・テイラー/シェリー・ウィンタース他

感想と評価

まずタイトルが明るく陽気そうなのがいいですよ。

原題は”A Place In Th e Sun”で、何だか『プレイス・イン・ザ・ハート』っぽいですし。

心暖まるヒューマンドラマかな~とか思いますけど、ほんとは不安な気持ちでいっぱいになるハラハラサスペンスです。

1906年に実際に起きた殺人事件を元にして書かれた小説を、『シェーン』のジョージ・スティーブンス監督が映画化しました。

1931年にも原作と同じ『アメリカの悲劇』というタイトルで映画化されてますが、そっちは観とりません。

ラブロマンス→サスペンス→法廷劇でパキッと別れてまして、1幕目は退屈に思えましたが、途中から引き込まれました。

金持ちの女を踏み台にして出世しようと目論む主人公には『バリー・リンドン』『赤と黒』のジュリアン・ソレルなどを思い出します。

序盤に登場するミレイの名画『オフィーリア』は、その後の悲劇を暗示するサインですね。

『スカイフォール』のターナー “戦艦テメレール号” だったり

『ニキータ』のドガ “エトワール” みたいに、

(引用元)

画面に映った絵画で話を語る映画は読み解きが楽しいな=。

カンペキ余談ですが、ラファエル前派〜唯美主義美術ファンの私としては

『暗殺の森』
『アンタッチャブル』
『メランコリア』
『アイズ・ワイド・シャット』
『ターナー』

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などの映画も、さりげなくイイ絵が映り込んでてツボなんです。

湖の光景では同じラファエル前派のウォーターハウス『シャロットの女』を思い出しました。

彼女もオフィーリアと同じく、不条理な運命とかなわぬ恋を嘆いて水辺で死ぬ悲しい乙女。

この絵もラファエル前派の人気作品ですね。

GLAYの『speed pop』のジャケットに使われてたりもします。

そういやウォーターハウスもオフィーリアを描いていたな。

湖畔や海辺で起きるショッキングな展開でいえば

ハネケ『ファニーゲーム』
ポランスキー『水の中のナイフ』
プレミンジャー『悲しみよこんにちは』
アルトマン『ロング・グッドバイ』
ベルイマン『夏の遊び』

などを思い出します。

『思い出のマーニー』もそうですね。

あの映画でも壁に「水天髣髴」という書が飾られていて、彼岸と此岸の境目というテーマが語られていました。

湖のシーケンスで恐ろしいのは、秘めた決意をハッキリ語らず、額に脂汗をぶつぶつ浮かべたジョージの表情。

彼、自部屋で

「この女、殺してしまおうか・・・」

という邪悪な考えが浮かんだときは

「オレは何を考えてるんだ・・・!」

とすぐジタバタしてましたけど。

それがだんだん真剣に実行する気になっていく。その過程も含めて怖い。

本人は一言もそれを語らず、表情だけで観客に悟らせるのがまたドキドキしちゃいます。

それ以上にざわざわした気分になったのは、ジョージの真意を読み取ったアリスの顔。

「ジョージ・・・」

「私を殺す気なのね・・・」

貧乏で薄幸な彼女を演じるのはシェリー・ウィンタースです。

ハデに湖に転落して絶命するわけですが、それがきっかけか後に『狩人の夜』に起用され、喉を切り裂かれてやはり湖に沈められる不幸な奥さんを演じました。

それにカナヅチなのは役だけで、ホントは元水泳選手でバリバリ泳げる女優なんですね。

それで『ポセイドンアドベンチャー』にも抜てきされ、今度は水没した客船の中を勇敢に泳ぎ、結局やはり水の中で絶命します。

『陽の当たる場所』以降もオフィーリアを体現し続けたわけですね。

男から都合よく遊ばれ捨てられる役回りはキューブリック『ロリータ』出演のきっかけでしょうか。

不運な役ばかりだ!

とにかく

『デス・トラップ』や、

『白いドレスの女』や、

『郵便配達はベルを二度鳴らす』や。

浮気相手とよろしくやるためにジャマな相手を殺害しても結局ロクなことにならないね!

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