映画『ブロークン・フラワーズ』(2005) 感想と評価

Pocket

スポンサードリンク

「夢を諦めずに頑張れば必ず報われる!」

というお気楽な理想主義への、静かな、静かな、静か~~~な反抗の物語。

映画データ

『ブロークン・フラワーズ』

(原題:Broken Flowers)

2005年/アメリカ/106分
監督/脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:フレデリック・エルムズ
編集:ジェイ・ラビノウィッツ
出演:ビル・マーレイ/ジェフリー・ライト/シャロン・ストーン/ティルダ・スウィントン

映画の感想と評価

「旅に出た主人公が成長して帰ってくる」

物語の基本の型ですね。

しかし。人々のツライ旅路や経験が、なんの実績も生み出さない単なる徒労として終わることも往々にしてある。それが現実。

映画であれば『CUBE』『真実の行方』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などが思い浮かびます。

『ブロークン・フラワーズ』もその系譜に入る作品です。しかしそこは安定のジム・ジャームッシュ。ドラマチックで劇的な展開など一切ありません!

・旅を通して考え方や行動パターンが進歩、、、しない。

スポンサードリンク

・ドラマチックな邂逅を、、、しない。

・セレンディップの三人の王子のように、本来の目的とは別のかけがえのない経験を獲得、、、、、しない!!

「長い旅は無駄に終わりました」

という事をここまで徹底的に描いた作品は観たことがありません。衝撃を受けました。

「頑張れば夢かなう」という映画を観ると勇気がもらえますし、とても意義があることです。

でも、「頑張っても全くダメ」というニヒリズムにもある程度は触れておかないと、バランスが悪いんですよね。

努力による成果を盲信しすぎては失敗したとき絶望するし、ニヒリズムに陥りすぎると何も行動できない。

どっちに偏りすぎてもマズいことになる。

ご都合主義的な物語に倦んだ時、心のスタビライザーとして今作が役立つと思います。

『バーン・アフター・リ-ディング』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を観終わった後の脱力感(肯定的な意味で使ってます)とも近いものがありました。

無気力と無表情で特徴づけられる人物像、

粋と冗長のギリギリ境目にある大胆な編集、

真上から撮られた食卓、

暗転、

など、平常運転のジャームッシュ節とビル・マーレイのアパシー全開演技(?)で心をユルユルほどきましょう。

スポンサードリンク
Pocket

スポンサーリンク
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.