映画『暴力脱獄』(1967) 感想と評価

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ゆでタマゴを50コ食べる。その姿が何故こんなに心を熱くさせるのだろうか?

映画データ

『暴力脱獄』

(原題:Cool Hand Luke)

1967年/アメリカ/126分
監督:スチュアート・ローゼンバーグ
脚本:ドン・ピアース他
音楽:ラロ・シフリン
撮影:コンラッド・L・ホール
出演:ポール・ニューマン/ジョージ・ケネディ他

映画の感想と評価

カウンターカルチャーの嵐が吹き荒れた1960年代後半。

ヘイズコードから解き放たれたハリウッド映画界もまた、他の芸術分野に遅れて既存の価値観への抵抗をあらわにし始めた。

今作が『卒業』『俺たちに明日はない』『夜の大捜査線』等と同年の公開というのは時代が生んだ必然だ。

『暴力脱獄』もまた、『パピヨン』『ショーシャンクの空に』同様、社会の縮図としての刑務所で公権力や規則に抗い続けた男の話。

十字架の磔刑を暗号化した構図など、今作では主人公ルーク=キリストを思わせる演出が随所に凝らされている。

ベルイマン映画のように、神の沈黙(または神の不在)を受け入れて呟かれる言葉が印象的だ。

“I gotta find my own way.”

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神がもういないのならば、自らが自らを導くキリスト(救世主)になるしかない。

“天は座して待つ者ではなく、自ら助くるものを助く”

そしてその生き方は、本人も意識しないところで周囲の人間に大きな影響を与え、彼らをも導くことになる。

『ポセドン・アドベンチャー』『今を生きる』『カッコーの巣の上で』などのように、抑圧に対して抗い続け、最終的に戦いに敗れる者は少なくない。

しかし勝敗は関係ない。彼らの生き様そのものが観る人に勇気を与えてくれるのだ。

禅の「本来無一物」を体現するかのようなシーンの後で微笑みながら言う

“Sometimes, nothing can be a real cool hund.”

も刺さる。『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』における空条承太郎とダービー兄の戦いはこれがルーツだろうか。

撮影監督のコンラッド・ホールは『明日に向かって撃て!』『ロード・トゥ・パーディション』でもニューマンの雄姿を撮っているが、今作も抜群の相性だ。

低アングルを強調した重厚な画面、強烈なコントラストの闇と青空、最高!「映画っていいなあ〜〜」って思うひととき。

『暴力教室』や『暴力波止場』などに倣ったのは分かるにしても、邦題がひどい!原題に土下座すべし!

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