映画『危険な情事』あらすじ&ネタバレ感想!エンディングとうさぎの秘密

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フィルミナ(@filminaty666)です。

魅力的な映画の悪役たちの中でも、

「怖い女」3強といえば個人的に彼女たち↓

『ミザリー』のキャシーベイツ↑

『ゴーンガール』のロザムンド・パイク↑

もう一人は今作で狂気のサイコレディ、アレックスを演じたグレン・クローズです!おめでとうございます!

「逃がしゃしないよ」

妄執に憑かれた女の断末魔を見届けよ!

予告編

『危険な情事』

(題:Fatal Attraction)

1987年/アメリカ/119分
監督:エイドリアン・ライン
キャスト:マイケル・ダグラス/グレン・クローズ/アン・アーチャー

『危険な情事』あらすじ

出版社の弁護士を務めるダン(マイケル・ダグラス)。

妻とかわいい娘に恵まれ、幸せに暮らす平凡な男だ。

しかしある日。

得意先の美人OLアレックス(グレン・クローズ)が彼を誘惑してくるではありませんか。

「今夜どう?」

「一晩だけなら、、、」

魔が差したダン。

これが悪夢の始まりだった。

表向きマトモなキャリアウーマンに見えたアレックスが、まさか極めつけのヤンデレ女だったとは。

「君とは一晩だけの関係なんだ!縁を切らせてくれ!」

「愛してるわダン。2、3回寝て捨てようだなんて思ったら大間違いよ」

どんどんエスカレートしていくストーカー女の追跡と異常行動からは、決して逃げられない!

ネタバレ感想と評価

グレン・クローズに学ぶ危険な情事

「浮気しようか?」

禁断の情事に落ちていくダンとアレックス。

会話のバックにはBill Evans “When I Fall in Love”がさりげなく流れてます。粋な選曲。

序盤が正攻法のラブロマンスであるぶん、中盤以降の狂気がより際立ちますね。

「幼少期のトラウマや孤独感、不安感に縛られた人間はどういう心理にあるのか?」

アレックスを演じたグレン・クローズは、精神分析医にアドバイスを求めながら徹底的に役作りを行いました。

気分の上下が激しく、

激昂した直後にしおらしくなったり、

または自傷行為で男の気を引いたり。

これらの行動はまだ想像の範囲ですが。。

うさぎの結末に学ぶ危険な情事

アレックスの狂気はどんどん暴走し、ついには

浮気相手が飼うウサギをグツグツ煮て見せつける

という凶行に発展!

「アアアアア!!!!!」

もう手が付けられません。

『何がジェーンに起こったか?』でジョーン・クロフォードが飼ってる鳥を、ベティ・デイヴィスが料理して「めしあがれ」と振るまう戦慄シーンを思い出します。

この映画がもとで

“うさぎを煮る女”

(男を誘惑して後で面倒を起こす女、の意味)

というスラングまで生まれたそうですよ。

パンダのシャンシャン??

アレックスの精神が崩壊する視覚的な演出も芸が細かい。

特に、アイシャドウが徐々にパンダじみていく!

どろどろ生々しく鳥肌ブツブツな展開が続きますが、エイドリアン・ライン監督らしい光と色彩も見どころです↓

エイドリアン・ライン監督の映像美

格子状のエレベーターに差し込むチンダル現象。

そして不気味な青と闇。

わたしエイドリアン・ライン監督が作るこの映像ルックがたまらなく好きなんです。

特に『ジェイコブス・ラダー』の映像にはヤラれましたね。

『運命の女』にもこの形状のエレベーター出してましたし。

エレベーター内の赤いライトは

「これから惨劇が起こるぞ」

という予兆に見えて不吉です。。!

アレックスのアパートへと続く

「濡れた地面と炎でオレンジ色に染まった歩道」

これもまるで地獄への道のりそのものじゃありませんか。

マイケル・ダグラスに学ぶ危険な情事

グレン・クローズが熱演した狂人の心理と異常行動の描写だけで十分に楽しめる映画ですが、

「世の男たちへの警告」

でもあるので教訓にせねばならん。

(浮気したことありません!)

運転免許の学校で必ず見る

「ちゃんと運転しないと、こうなるぞ」

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「保険に加入せずに事故を起こしたら、こうだぞ」

という注意喚起ビデオ、あれと同じです。

「行動には必ず責任が伴う」

と、プロデューサーのシェリー・ランシングは語ります。

「男女は一度でも寝れば特別な関係になり、後戻りはできない」

「男性はよく遊び感覚で浮気するけど、簡単に断ち切れなくなる可能性も覚悟すべきね」

女性が言うだけに重いなぁ。

そのメッセージは冒頭の数分間で早くも暗示されてますね。

奥さんと頑張りすぎてむち打ち症になり、首にコルセットをはめた同僚。

浮気を暴露されそうになり困る議員。

ダンのように

「ヤバイと思ったが性欲を抑えられなかった」

とバーサク状態に入っちゃうのは誰にでも起き得ること。

マイケル・ダグラスは観る人に「自分の事だ」と考えてもらうため、

出来る限り普通の普通の男を演じるよう心掛けたそうです。

(浮気したい。。!浮気したい。。!オレだってやればできる。。!と思いながら一向に踏み切れない『アイズ・ワイド・シャット』のトム・クルーズみたいな男もいますが)

エイドリアン・ラインは俳優の可能性を引き出すのが上手い監督。

『運命の女』では妻から浮気されて絶望する弱い男をリチャード・ギアに演じさせ、彼の「マッチョで抜け目ないイケメン」というパブリックイメージを覆しました。

フェミニストからの反発

80年代。

「私たち女も、男と同じように社会的キャリアを積めるような社会を目指そう!!

という気運が高まります。

その潮流を扱った映画といえば、女の子がバリバリ働いて出世して、カッコイイ彼氏(ハリソン・フォード)までゲットする『ワーキングガール』(1988)が代表的ですね。

ちなみに『テルマ&ルイーズ』もよくフェミニズム映画と語られます。

ですがリドリー・スコット監督によると「フェミニズム関係なく、私の描く女性は母さんに似るってだけなんだよ」と言う事らしいです。

同じく『危険な情事』も「女をナメんじゃないわよ!」というフェミニズム的な意志があるのでしょうか?

じつは、製作陣にその意図は特になかったと言います。

アカデミー賞に6部門ノミネートされ社会現象にまで発展したこの映画は、むしろ当時のフェミニスト達から激しい反発を食らいました。

OLであるアレックスを狂女として描いたことから

「働く女性一般を非難した映画だ!」

と受け取られてしまったのです。

そのためエイドリアン・ライン監督は

「アレックス個人の狂気を描いた映画というだけで、女性一般を蔑視したものではない」

とわざわざ釈明せざるを得ませんでした。

『蝶々夫人』とエンディングに関する議論

アレックスのアパートで二人が聴いているのは、オペラ『蝶々夫人』“名誉をもって生きることが出来なければ、名誉を守るために死ね”

『蝶々夫人』はアメリカ海軍士官と結婚した日本人女性、蝶々さんの悲恋の物語です。

愛する夫が自分と子供を残して祖国に帰国することになりましたが、蝶々さんは彼を信じて、けなげに帰りを待ち続けます。

しかし夫は彼女のことをすっかり忘れ、祖国で新しい妻を娶っていた。

それを知り絶望した蝶々さんは。。。

『危険な情事』はこの話を下敷きにしています。

アレックスはまさに暴走した蝶々さん。

日本が舞台のオペラ/小説が元という事で、よく見れば画面のあちこちに日本的なプロダクションデザインがちらほらと!

冒頭から「サムライ健康法」なんて本が登場するのも、、、

切腹をイメージにしたであろう別バージョンのラストシーンに繋がります↓↓

衝撃のラストに別エンディング?

そのエンディングは「後味が悪くてスッキリしない」ため、試写会で不評をかこつ結果となりました。

観客が喜ぶエンディングに変更するため数か月後に追加撮影を行いましたが、アレックス役のグレン・クローズは必死に抗議。

元のバージョンの方が狂気の集大成として優れているし、『蝶々夫人』のラストとも重なるので、わたしも変更前の方が気に入ってます。

とは言え、分かりやすい勧善懲悪が喜ばれた80年代にこのラストがウケないのは仕方ありませんでした。

50年代までのハリウッド映画がそうだったように。

結局プロデューサーの熱心な説得で、最終的にはクローズが折れる事に。

かくして『悪魔のような女』を意識したという新エンディングに差し替えられた今作は、製作費の23倍という大ヒットを記録したのです。

ちなみにダンの娘の日本語吹き替えはデビュー直後(8才)の坂本真綾さんが当てています。

15年来の真綾さんファンとしても貴重な作品!

正気を失った人間の凶行を扱った映画で言えば『絞殺魔』などもオススメです!↓

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