映画『ラ・ラ・ランド (LA LA LAND)』(2016) 感想と評価

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渋滞にハマる人には2種類いる。

耐え抜いて渋滞を抜ける人と、あきらめて脇道にそれる人だ。

予告編

映画データ

『ラ・ラ・ランド』

(原題:La La Land)

2016年/アメリカ/128分
監督/脚本:デミアン・チャゼル
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
撮影:リヌス・サンドグレン
編集:トム・クロス
出演:ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン

映画の感想と評価

La La Landに向かう人々にとっては、渋滞に巻き込まれてる間がいちばん輝ける時なのかも知れない。

今作の主人公たちのように表現・創作活動をするにもしないにも、生きる以上は誰かと関わり続けることになる。

そして他者と関わることは、価値と価値を交換し合い続けることに他ならない。

自分が持っている価値は自分にとって、相手にとって、双方ともに最高だ!って思えるか??

自分はいま心の底から望んだ道を歩けているだろうか??

そう自問するたび観たくなる映画になるだろう。

劇中でエマ・ストーンがつづる脚本につづられた主人公の名前はジュヌヴィエーヴ(のはず)
たびたび言及されるフランスの話題。
鮮烈な色彩がおどる美術や衣装。
そしてあのラスト。

今作ではミュージカル黄金期のハリウッド映画がたくさん引用されているが、テーマとしては『シェルブールの雨傘』へのアンサーフィルムという意味合いが強い。

何かを得るには何かを失わなければならない。

そのメッセージをセンチメンタリズムに託したのが『シェルブール』なら、何かを失うことで大人になれるという肯定的なアティテュードで結んだのが『LA LA LAND』だ。

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終盤のあの展開。残酷すぎる多幸感に「もうやめてくれ!」と叫びだしたくなるあの映像。

あれは

「夢はトレードオフ」

という苦い現実をまざまざと、観客に思い知らせるためにあるのだろう。

「夢を見ることは大人にもできる!だから夢をあきらめないで!」

・・・そうじゃない!

本当に見たい夢を見るために別の夢を捨てる決断をすることが大人になるという事だ。

決断を意味する”decide”は

de : 離す
cide : 切る (ハサミのシザーも同源)

から来ている。

複数の選択肢から一つを選ぶと言うより、他の選択肢を切り捨てる、という意識だ。

夢は夜に見るもの。朝になれば、醒めるもの。

La La Land(ハリウッド,夢見がちな状態)を象徴するグリフィス天文台に、彼らが二回も訪れた理由はそれだ。

このメッセージは『リリィのすべて』『マディソン郡の橋』などにも通じるポイント。

本当の青空ではなく、ホリゾントに描かれた青空を大写しにするのにも確実に意図がある。

物語は虚構に過ぎないけれど、物語こそが人の価値観を育て、その価値観が人に行動を起こさせ、その行動が現実を変えていく。

物語が現実を変えていく!

そう願うからこそ、人は映画を作り続けるし、人は映画を観続けるんだろう。

「それぞれの自由と自由、魂と魂をぶつけ合う、一度しかない瞬間!それがジャズなんだ!」

今作におけるジャズは音楽の形を借りた、人と人を結ぶ無形のメディアということだ。

青春の一回性を高らかに歌おう!

夢追い人たちに乾杯!

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