映画『パピヨン』(1973) 感想と評価

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自由への渇望と男たちの友情。

映画データ

『パピヨン』

(原題:Papillon)

1973年/アメリカ/150分
監督:フランクリン・J・シャフナー
脚本:ダルトン・トランボ/ロレンツォ・センプル・ジュニア
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:フレッド・J・コーネカンプ
出演:スティーブ・マックイーン/ダスティン・ホフマン

映画の感想と評価

“Hey, You bastards! I’m still here!”

人権を完全に無視した独房生活や、囚人・看守の支配関係。その描写を通して、権威や理不尽な暴力への反抗を謳った映画は数多くあります。

『暴力脱獄』のポール・ニューマン

『告発』のケビン・ベーコン

『ミッドナイト・エクスプレス』のブラッド・デイヴィス

ドイツ軍の心理実験を扱った『es』

などが著名なところ。

どんなツラい目に合っても決して友を裏切らないパピヨンの姿は、ハリウッドを追放されても赤狩りに屈しなかった脚本家トランボ自身の姿でもあります。

僕が印象に残ったのは以下のシーン。

第一幕後半。暗い独房を這いずる虫を食らってでも生きぬく、その執念が圧巻。

『ジョジョの奇妙な冒険 第6部』の主人公、空条ジョリーン。

パピヨンと同じく蝶のタトゥーを胸に刻んだ彼女もまた、刑務所にぶち込まれ、いくつもの逆境を与えられてはガッツで乗り越える。

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昆虫をバリバリ食べて生き延びるところまでパピヨンとそっくりです。

第二幕前半のジャングルで逃げ回る描写はメル・ギブソンの『アポカリプト』や『裸のジャングル』を思い出します。

第二幕後半はセリフなし、音楽だけで束の間の安寧が描かれるけど、平和なだけその後の絶望を際立たせてツラい。。

”かりそめの平和の後に襲い掛かる悲劇”はサスペンスの定番手法だけど、こういう展開はいくら観てもショックが大きいなあ。。

『ファニーゲーム』や『CUBE』なんかホント「この野郎ーー!!!!!」ってなります。ぬか喜びするだけどん底の気分だよ!

今作は「抑圧」を象徴する舞台として、刑務所だけでなく島も登場します。

ラストシーンは『モンテ・クリスト伯』のエドモン・ダンテスやドラクエⅤの主人公の脱出を応援するのとまったく同じ気分。

青春バンド映画『シング・ストリート』のラストもそうでした。

私が大好きなCoaltar Of The Deepersの”entreaty”の歌詞

「君の手を取って 呪われた島を抜けよう」

を思わせる爽快なラストだったなあ。

しかし『シング・ストリート』と違い、今作の相棒役ダスティン・ホフマンは抑圧に甘んじたままで生を終える(のだろう)。

キルケゴールのように「Take A Leap Of Faith」できない、ダスティン・ホフマンの悲哀をそのまま音楽に変えたようなジェリー・ゴールドスミスの劇伴が素晴らしい。

刑務所の廃墟を見せながらのエンディングも体制の崩壊を表しているようで印象深かった。

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