映画『ストレイト・ストーリー』感想と評価

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フィルミナ(@filminaty666)です。

この映画もそうですが、

『野いちご』『ネブラスカ』みたいに

<老人が人生を見つめ直すための旅>

を描いたロードムービー、好物なんですよ~。

ジイサンの箴言が随所に出て来るけど、説教くさくないしね。

ハリー・ディーン・スタントンも出てくるし、『パリ、テキサス』を踏まえてるんだろうな。

罪を背負った男が再起を図るというテーマも同じですし。

斜陽を映すショットが何度もあって綺麗ですが、

これは主人公が老い先短いジイさんであることの暗喩か。

旅の途中でトラックや自転車にバンバン追い越されるのも、世代交代を暗示しているんでしょう。

10年前にケンカ別れしたお兄さんに会いに行くのが旅の理由なんですが、ケンカの原因は

「アベルとカインのように怒り、うぬぼれ合ったせい」

だと言います。

聖書の引用ですが、

この作品全体がキリスト教的な価値観に彩られています。

冒頭から星空や空撮が何度も出てくるのは、

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映画でよく用いられる<神の視点>ですかね。

コーエン兄弟とかがしょっちゅう使うやつ。

『イレイザーヘッド』でも強調された星空のイメージは、

『素晴らしき哉、人生!』『狩人の夜』からの影響ですね。

目的地がマウントザイオンなのも、

ザイオン = Zion = 神がヘブライの民に約束した地

を意味しているんじゃないかなー。

キリスト教的なモチーフで言えば、

シカを車ではねて泣き叫ぶ女性も重要でした。

シカはキリスト教における聖なる動物。

はねた彼女は

<<仕事のために>>この道を往復する必要があるの!

もう13頭もシカをはねてしまった!

<<シカが好きなのに!!>>

彼女をはじめ劇中でアルヴィン爺さんが出会うのは、

心に様々な傷を抱えた人ばかり。

婚前交渉で妊娠した家出娘も、

アベルとカインを思わせる、いがみ合ってばかりの双子も。

彼らはキリスト教的な価値観を大事にするよう教えられながらも、

高度に文明が発展した社会の中で、

信心や他者への優しさを失った現代人の象徴じゃないか。

はねられたシカの角を荷グルマに付けて

のしのし進むアルヴィン爺さんは、

自分自身の生の意味を問い直しながら、

人々に信心や生の意味を唱えて回ります。

その姿はまるでサンタクロースですね。

その視点で観れば、『34丁目の奇跡』の現代版・ロードムービー版とも思えてきました。 

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