映画『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995) 感想と評価

Pocket

スポンサードリンク

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』や『ザ・ビーチ』など、クスリで頭がおかしくなるキャラを何度も演じているディカプリオ。

イカれたジャンキーっぷりでいえば、若かりし頃に出演した今作がもっとも凄まじいです。

涙とハナでぐしょぐしょになりながらヘロインを懇願するディカプリオの姿に戦慄。。

映画データ

『バスケットボール・ダイアリーズ』

(原題:The Basketball Diaries)

1995年/アメリカ/102分
監督:スコット・カルヴァート
出演:レオナルド・ディカプリオ/マーク・ウォールバーグ/ジュリエット・ルイス他

映画の感想と評価

悪ガキながらも大好きなバスケには一途に打ち込む4人の少年たち。

一幕目だけ観れば『ヤング・ゼネレーション』などを思わせる爽やかなスポ根青春物語です。

しかし中盤、4人で川に飛び込むあたりから不穏な空気が漂い始めます。

高いところから低いところへ真っ逆さまに飛び降りるという、これまた『ヤング・ゼネレーション』ライクなこのシーン。

悪さしながらもスポーツにはげむ健全な少年像を扱った一幕目から、ヘロインに溺れて人生を台無しにする二幕目へのスイッチ。

それがこのシーンに込められた意味じゃないか。

さらに親友の死をターニングポイントに、どんどんヘロイン地獄へ転落する少年達。

このシーケンスで強調されるのは夜、雨、黒服。今後の人生崩壊を強く暗示する演出です。

後半はヘロインを手に入れるため悪行の限りを尽くすジャンキー達の描写が続きます。

ひったくり。

車ドロボー。
売人との追いかけっこ。
深夜の店舗強盗。

などなど。

深い闇と、暗く青い照明、スモークが不穏な空気感を盛り立てます。

スポンサードリンク

ラスト近くでジムが建物から警官に引きずり出されるシーンのカメラワークは、冒頭で学校から出てくる4人のシーンと同じです。

前半と後半の落差を強調する効果が生まれてますね。

薬物中毒の悲惨さをシリアスに描いた映画としては『ドラッグストアカウボーイ』『レクイエム・フォー・ドリーム』など色々とあります。

子供に見せて抑止効果を狙うのであれば、とりわけディカプリオのジャンキー演技がすさまじい今作がピッタリでしょう。

しかもジャンキーに堕ちる一方でバスケというクリーンで清潔な対立軸が用意されているぶん、テーマの説得力がより引き立つんですよね。

たとえば『ディアハンター』の序盤、40分もかけて幸福な青春時代を見せた後で、いきなりベトナムの戦闘・爆発シーンに移るのも同じ効果でした。

スコセッシ的な主人公によるナレーション、第四の壁の破壊、ヘロインでヘロヘロのディカプー、更生後の講演会で締めくくられるラストシーンなどスコセッシ作品などにも通じる部分。

この作品の翌年には同じく4人組の悪ガキが身から出たサビで痛い目を見る『スリーパーズ』が公開。

こちらもミヒャエル・バルハウスが撮影監督を務めていたり、主人公のナレーションがしばしば入ったり、デ・ニーロがチンピラすれすれの神父だったりと、スコセッシ的な演出が濃い映画でした。

それから学校で銃をバンバンぶっ放すディカプリオの夢シーンは、コロンバイン高校の銃乱射事件の際に取り沙汰されたようです。

そういえばあの事件を扱った『エレファント』と上に挙げた『ドラッグストアカウボーイ』は同じガス・ヴァン・サント監督の映画だ。

スポンサードリンク
Pocket

スポンサーリンク
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.