映画『チャイナ・シンドローム』(1979) 感想と評価

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社会問題にコメディで切り込む、怪獣映画で切り込む、おとぎ話で切り込む。

『チャイナ・シンドローム』は直球勝負です。

予告編

映画データ

『チャイナ・シンドローム』

(題:The China Syndrome)

1979年/アメリカ/122分
監督:ジェームズ・ブリッジス
製作
:マイケル・ダグラス
出演:ジェーン・フォンダ/ジャック・レモン/マイケル・ダグラス

あらすじ

原発を取材中のTVキャスターとそのクルーは偶然、事故の現場に立ち会うが、上からの圧力によってそのニュースはNGとなる。

そして調査の後、運転を再開した発電所ではひとりの技師が原発の欠陥を発見していた。

その事を知ったTVキャスターは彼の協力を得て、この事件を世間に公表しようとするのだが……。(all cinema)

感想と評価

「権力や体制に対し個人は無力だが、その行動は人々に影響を与え、世を変える契機となる」

ヒーローの受難劇は、受け手の共感や問題意識を呼び起こす上で効果が大きい物語手法です。

特にこういった社会派ドラマや政治的プロパガンダにはよく用いられますね。

ローマ人とユダヤ人により磔刑に処されたキリストが最たる例。

今作ではそのテーマが2つの具体事例を通して語られます。

1つは、原発の安全性に疑問を唱えるジャック・レモンと、彼を抹殺する大企業の圧力。

2つには、社会的な地位の向上を求める女性と、それを抑えようとする体制の圧力。

3つには、

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『俺たちニュースキャスター』とはテレビ局のキャスターを扱う部分まで共通しています。

笑いの陰に強烈な社会諷刺を仕込んだ、コメディのあるべき姿を体現した映画でした。

『グッドナイト・アンド・グッドラック』も近いですね。

あれはテレビ局のキャスターが赤狩りの元締めマッカーシー上院議員と立ち向かう話でした。

それを通して語られたのは3つ。

・思想の自由を守れ。

・ジャーナリズムの役割とは何か。

・為政者を増長させないためには国民自身が賢くなる必要がある。

『チャイナシンドローム』でも権力批判にとどまらず、観客への警告が随所に挟まれます。

「原発反対!原発反対!そう唱える前に自分の生活を見直しなさい」

冒頭から空撮で追われる車の手前には、張りめぐらされた送電線が存在を主張している。

ラストシーンで涙ながらにジャック・レモンの正義を訴えるジェーン・フォンダを映すモニターの横では、電化製品のCMが流れている。

これらを現代の日本に置き換えるとどうでしょう。

原発問題は解決されたか?

マスメディアは娯楽や現実逃避の道具以外の機能を十分に果たしているか?

人々が反知性主義におちいっていないか?

情報メディアとの付き合い方をわきまえているか?

男女のキャリアにおける「ガラスの天井」は破られたか?

たまにはこういう映画も観て説教くらわないとダメになっちゃうね。

まったく関係ないけど、長髪ひげもじゃのマイケル・ダグラスが『ハングオーバー!』のザック・ガリフィアナキスにしか見えない!あとペットの亀がカワイイ!

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