映画『リリーのすべて』(2015) 感想と評価

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映画データ

『リリーのすべて』

(原題:The Danish Girl)

2015年/英・米・独/119分
監督:トム・フーパー
脚本:ルシンダ・コクソン
原作:デヴィッド・エバーショフ『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:ダニー・コーエン
編集:メラニー・アン・オリヴァー
出演:エディ・レッドメイン/アリシア・ヴィキャンデル/ベン・ウィショー

映画の感想と評価

自分の実存を取り返すために“Take A Leap Of Faith”した人間の勇気を讃える物語。

『虹を掴む男』『パピヨン』『ポセイドン・アドベンチャー』『桐島、部活やめるってよ』などと同じ系譜の作品です。

アイナーはゲルダの伴侶にはなれても、ミューズにはなれない。
リリーはゲルダのミューズにはなれても、伴侶にはなれない。

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同じくゲルダはアイナーの伴侶にはなれても、リリーにとっては一人の同性の親友にしかなり得ません。

何かを得るためには何かを失わねばならない。

それを伝える装置として『或る夜の出来事』における”ジェリコの壁”が、今作では二人の男女を永遠に隔てるものとして扱われています。

性に対する自己認識を主題にした作品を「LGBTモノ」とキャッチーでお手軽な名称で呼ぶのは気が引けるけど、今まで観た同カテゴリーの映画の中では最も心に迫るものがありました。

映像面では、シンメトリーを強調した絵画的な映像にほれぼれ。

リリーとゲルダが住むコペンハーゲンの部屋は、19世紀デンマークのハンマースホイが描く室内画を意識しているのだと思います。

調度品の極端な少なさ、ドアや壁のくすみ具合、光の具合。隅々までプロダクションデザインが行き届いた美術的な一作です。

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