映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(2015) 感想と評価

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「ペンは剣よりも強し」

その言葉を地で行き続けた男の孤軍奮闘記。

映画データ

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

(原題:Trumbo)

2015年/アメリカ/124分
監督:ジェイ・ローチ
脚本:ジョン・マクナマラ
原作:ブルース・クック『ダルトン・トランボ』
音楽:セオドア・シャピロ
撮影:ジム・デノールト
編集:アラン・ボームガーデン
出演:ブライアン・クランストン/ダイアン・レイン/ヘレン・ミレン/ジョン・グッドマン/エル・ファニング/ルイ・C・K

映画の感想と評価

「ひどい抑圧にあいながらも、彼が希望を捨てず、戦い続けられたのは何故だろう?」

『インビクタス』でマット・デイモン扮するラグビー南ア代表のキャプテンが、思想犯として20年近くも牢獄に閉じ込められたマンデラ大統領の心中を深慮しながら呟く問いかけです。

今作では脚本家、体制に立ち向かう反逆児、父親という三つの側面を通して、トランボによる思想と言論の自由を守るための戦いが描かれます。

時代は1950年代。共産主義者を国内から追い出せ!その機運に乗じたマッカーシー上院議員による赤狩りがアメリカ中を混迷の渦に突き落とした時代です。

人気脚本家トランボもまた非米活動家の烙印を押され、ハリウッドを追い出されます。しかし彼は、全体主義化した「民主主義」陣営に対し、毅然と思想と言論の自由を主張し続けます。

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ひたすら逃げ続け、ひたすら脚本を書き続ける。ペン一本で戦い抜く。

何度もシリアスな状況に追い込まれながらも、飄々と皮肉なジョークで切り抜けるトランボの姿を見習いたいです。

シリアスとコメディのバランスも良く、何度も声あげて笑ってしまった。

何といってもジョン・グッドマンの暴走シーンが痛快!『ビック・リボウスキ』『バートン・フィンク』クラスのキレっぷりじゃなかろうか。

『アルゴ』とかもそうだけど、権威にとらわれない縁の下の力持ち、といったキャラのハマり具合ハンパじゃないなあジョン・グッドマン。

第二幕では表にできない仕事に没頭するあまり家族崩壊の危機に立たされるという『ブレイキング・バッド』な状況になるも、妻のおかげで幸い目が醒める。その展開がホワイト先生と違ってひと安心(笑)

あとオットー・プレミンジャー監督やカーク・ダグラスもイメージ通りで、スッと感情移入できました。コワモテおじさんプレミンジャー。

第三幕において重要な作品として扱われる『栄光への脱出』『スパルタカス』は今作で描かれるトランボの生き様をそのまま体現したような作品で、今作の前に観ても後に観ても、より興が深まると思います。

そしてラスト近くであの映画の、あの名言が、あのタイミングで、あの人物の口からさりげなく呟かれるのは涙なしには観られませんでした。

「I am Spartacus!」

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