映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2014) 感想と評価

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ジャミロクワイ “ヴァーチャル・インサニティ”

UNKLE “Rabbit In Your Headlight”

Radiohead “カーマポリス”

など、MVの金字塔を多数手がけるジョナサン・グレイザー監督によるSFスリラー。

映画データ

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』

(原題:Under the Skin)

2014年/英・米・スイス/108分
監督/脚本:ジョナサン・グレイザー
原作:ミッシェル・フエイバー『アンダー・ザ・スキン』
音楽:ミカ・レヴィ
撮影:ダニエル・ランディン
出演:スカーレット・ヨハンソン

映画の感想と評価

地球に降りたエイリアンの女が独り者の寂しい人間の男を籠絡しては”捕食”していくんですが、その演出が独創的です。

魅惑的な肢体をチラつかせるエイリアン女に逆ナンされた男たちは、謎の真っ暗な空間に案内され、二人はゆっくり奥へと歩いていく。

一枚一枚服を脱ぎ捨てながら、誘うように歩くエイリアン。男たちは彼女を追いかけるも、気づかぬうちに漆黒の沼にずぶずぶと沈み込んでいく。

沼の中で身動きの取れない彼らは、エイリアンパワーにより皮だけを残して「ズオッ。。!」中身を吸い取られ、どろどろのジャムにされてしまう。

このあときっとパンにでも塗って食べられちゃうんでしょう。

雅楽の太鼓や笛を思わせるパーカッションとストリングスや、エイリアン女の奇妙な足取り、書き割りひとつない暗闇など、なんだかお能を観ている感覚になります。

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捕食シーン含め何度か披露されるスカーレット・ヨハンソンボディが、ダルッダルのぜい肉全開で圧倒されましたね~。

小説家の平山夢明さんが「マナティ」と形容してましたが言いえて妙です(笑)

しかし『エレファントマン』のジョン・ハートを思わせる奇形の青年と出会ってからは、だんだんと人間に興味を抱き、人間になろうとし、ついに捕食をやめてしまう。

かといってヒューマニズムの獲得過程をドラマチックに描くわけではなく、何も起きないのにおそろしく長いカットを多用しながら、冷徹に淡々と物事が語られます。

森シーケンスの追いかけっこは『アンチクライスト』と近い不穏さを感じました。

冒頭で登場するアリンコは、彼女が人間を虫けらとしか認識していないことの暗示でしょう。

虫の顔をどアップで見ると必ずマッシヴアタックが頭をよぎる。あれはカブトムシだけど。

実際マッシヴの”カーマコーマ”のMVはジョナサン・グレイザーが撮ってるんですよね。

そっちはシャイニング(とバートンフィンク)のオマージュが散りばめられてたり、BlurのThe UniversalのMVでは時計仕掛けのオレンジネタを仕込んだり、映画愛・キューブリック愛も満載で楽しいです。

テーマ主義に傾倒し過ぎそうになった時は、こういう映画を観るのも手かも知れない。

何を伝えたいのかにとらわれず、何を視覚的に観せたいのか。映画はそれだけでも十分だということ。

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